コートについて court

天然芝メンテナンスの実際

天然芝のメンテナンスは、季節や天候によって多岐に渡ります。

そのなかで、主なものを次に紹介いたします。

エアレーション

芝というものは、何もしなければただ生えているだけの公園の芝生と同じになってしまいます。そこで、芝に直径1㎝ほどの孔を5㎝間隔であける作業を、1年に4度ほど行います。これを「エアレーション」と呼び、深さは10㎝ぐらいで、これによって芝の根に酸素が届きやすくなり、芝自体が元気になります。2~3日で空気が十分に行きわたったら、焼いて殺菌してある目砂を何回に分けて入れ、栄養を供給することで、根が丈夫になって、2週間ほどで新しくて強い葉がどんどん出てきます。エアレーションで掘り出した土は後続のスイーパーですぐに回収し、コート1面の作業に約30分ほどかかります。

バーチカルカット

夏になると芝はどんどん伸びて、放っておくと「マット状態」という密生状態になってしまいます。芝刈りをして縦に伸びることを遮られた芝は、横に伸びて勢いを増そうとするので、芝の密度がとても濃くなります。こうなると芝のクッション効果が強すぎて「ボフッ」と沈んでしまいボールが跳ね上がらなくなります。よってシーズン中は、芝に対して縦に歯を入れて葉の数を減らす「間引き」する作業が必要で、これをバーチカルカットと呼びます。シーズン中はぐんぐん新しい葉が生えてくるために、毎日が間引きとの戦いです。

芝刈り

芝の手入れと言うと、多くの方が芝刈りを連想されると思います。シーズン中は毎日々、この芝刈りの作業を行います。真夏になると、芝はい1日に8㎜~10㎜も伸びるために、朝夕1日2回、芝刈りを行います。当然、刈った芝葉もかなりの量になり、それをそのまま放置すると、芝を覆って枯らしてしまうために、刈ると同時に回収する必要があります。最近は両方の作業を同時にやってくれる芝刈り機がありますが、毎日々14面の天然芝コートの芝刈りは大変な作業量です。また、刈り取った芝葉は産業廃棄物として処分しなければなりません。

転圧

「ローラーがけ」です。芝の根が成長したり、水分を含んでくると下地は浮き上がったり柔らかくなったりします。あまりに柔らかすぎるとボールのバウンドが悪くなってしますため、適度に上から押さえて固める必要があります。それがこの「転圧」です。大きなローラーを備えた転圧機が通過することで3トンの圧力で抑えることができ、ローラーにバイブレーションをかけながら押さえると、2倍の6トンの重さがかかります。
そんな重さを芝の上で転がしたら、たちまち芝が倒れてしまうのでは、と多くの方が考えられると思いますが、芝はそんなことで倒れてしまうようなヤワな植物ではありません。すぐにまっすぐに立ち直り天に向かって伸びていきます。

ライン引き

天然芝コートに付き物がライン引きです。コートに周辺に杭を打ち込み、その頭の金具に紐を通します。この紐をガイドに線引き機でなぞると、水性ペイントが噴射されラインが引かれます。芝は、毎日々カットされるので、ラインは3日ほどで見えなくなるのでライン引きも繰り返しの作業です。